What a wonderful world
こんにちは。リハビリセンターです。
東京パラリンピックも閉幕となり、少し寂しい気持ちになってしまいます。
閉会式では、最後にWhat a wonderful world の合唱がありましたね。
私の世代ですとポンキッキーズでよく流れていた記憶があるこの曲ですが、原曲はルイ・アームストロングの名曲です。
元々は、ベトナム戦争の反戦歌としての意味合いが強かった曲だそうですが、今では普遍的な愛を歌った曲としての印象を受けます。
さて、このルイ・アームストロングさん。私も大好きな歌手の一人なのですが、その人生はとても奥深いです。
アメリカのニューオリンズ生まれの彼は、子どもの頃に出来心で(一説には誤って)発砲事件を起こしてしまい、少年院に送られてしまいます。
しかし、そこで彼はコルネット(トランペットを縮めたような楽器)と出会い、少年院の楽団で人気者となります。
コルネットとの運命の出会いをしたのも束の間、少年院を退院する時にはコルネットを返還しなくてはならず、社会人第一歩目はまずはコルネットを手に入れるところからスタートしなくてはなりませんでした。
そんな彼ですが、持ち前のテクニックと人望で一躍トップスターへとかけ上がっていきます。間違いなく彼はジャズ創成期最大のスターですが、そんな彼でも乗り越え難い大きな壁がありました。人種差別です。
当時は、黒人と白人の劇場の出入り口が分けられていたり強烈な白人優遇社会であり、スーパースターの彼でも待遇は変わらなかったそうです。
さらに、彼の誰にでも愛嬌を振り撒くようなパフォーマンスは、黒人からも「白人に媚びている」と批判されたようです。
ある意味四面楚歌のような状態で、人を信じることなんて出来なくなってしまいそうなものですが、彼はそのスタイルを貫き続けます。
そんな彼が晩年に歌い上げたWhat a wonderful world。人生で辛いことの方が多かったであろう彼が「この世界は何て素晴らしいのだろう」と紡ぐからこそ、より深い感動が生まれるのかもしれません。
彼は最晩年、愛こそが世界をより良くするための秘訣だと語っています。パラリンピックを通して、人を思う気持ちの大切さを再確認しました。