#81 [疾患別リハビリ] 進行性核上性麻痺は麻痺が生じる?
こんにちは、作業療法士の近藤です。
このカテゴリーでは、
疾患や症状に対して
「生活の中でどう支えるか」という視点で整理しています。
今回は進行性核上性麻痺における
「麻痺が生じるのか」という点についてです。
■結論
進行性核上性麻痺では、
いわゆる“麻痺(片麻痺など)”は基本的には目立ちにくく、
代わりに“動きにくさ”や“バランスの崩れ”が強く出ます。
そのため、
麻痺として捉えるよりも、
動きの質の変化として理解することが重要です。
■危険
麻痺がない=安全と考えてしまうと
・転倒リスクの見落とし
・対応の遅れ
・環境調整不足
につながります。
特に
・歩けている
・立てている
という理由で安心してしまうと
👉突然の転倒につながることがあります。
■注意
進行性核上性麻痺では
・力は入る
・手足は動く
ため
👉「麻痺はない」と判断されやすい
です。
しかし実際には
・動き出しにくい
・バランスを崩しやすい
・反応が遅れる
といった状態があります。
👉見た目と実際のリスクにズレがあります。
■なぜこのような状態が起きるのか
進行性核上性麻痺では
・運動の調整機能
・姿勢の制御
・反応の調整
が障害されます。
そのため
・動くことはできるがうまく調整できない
・バランスを崩しても戻せない
・とっさの動きが出ない
といった状態になります。
また
・眼球運動の障害
により
・周囲の状況を把握しにくい
・足元が見えにくい
ことも影響します。
👉「麻痺」ではなく
👉**「調整できない状態」**です。
■生活の中で実際に起きていること
現場では
・立ち上がった瞬間に後ろにふらつく
・歩けているのに急に倒れる
・振り向いたときにバランスを崩す
といった場面が見られます。
また
・手は動くが細かい動きが難しい
・急な動きに対応できない
といった変化もあります。
👉「動けるが支えきれない」状態です。
■このまま進むとどうなるか(予測)
この状態が進むと
・転倒の増加
・外出の減少
・活動量の低下
につながります。
さらに
・骨折
・入院
・在宅生活の困難
といった流れになることがあります。
👉早めの環境調整と関わりが重要です。
■できること
生活の中では
・急な動きを避ける
・動作をゆっくり行う
・一つずつ動く
ことが大切です。
また
・後ろ側に障害物を置かない
・手すりを活用する
・動線をシンプルにする
といった環境調整が有効です。
関わりとしては
・急がせない
・動く前に一呼吸おく
・安全を優先する
ことが重要になります。
■まとめ
進行性核上性麻痺では
・麻痺は目立ちにくい
・しかし動きの調整が難しい
という特徴があります。
そのため
・見た目で判断しない
・生活の中での動きに注目する
・環境と関わりを整える
ことが重要です。
疾患や症状があっても、
生活の中でできる工夫や関わり方は必ずあります。
今回の内容が、
在宅生活を考えるうえでの
具体的なヒントになれば幸いです。
以上、近藤でしたっ。




