#100 [疾患別リハビリ] 脳梗塞後、片手を使わなくなる理由
こんにちは、作業療法士の近藤です。
このカテゴリーでは、
疾患や症状に対して
「生活の中でどう支えるか」という視点で整理しています。
今回は脳梗塞後に
「片手を使わなくなる理由」についてです。
■結論
脳梗塞後に片手を使わなくなるのは、
完全に動かないからではなく、
“使いにくい・遅い・失敗しやすい”
ために自然と使わなくなっていくことが多いです。
つまり
👉使えない手
ではなく
👉使わない手
になっていくことがあります。
■危険
片手を使わなくなると
・麻痺側の動きがさらに悪くなる
・固くなる
・肩が痛くなる
といった身体的変化が起きます。
また
・両手でできていた動作が片手中心になる
・生活動作に時間がかかる
ことで、
日常生活の負担も増えていきます。
👉使わない期間が長いほど戻りにくくなります。
■注意
ご家族はよく
「手が動かないから使えない」
と思いますが、
実際には
・少しは動く
・支える程度はできる
方も多いです。
ただ
・遅い
・思うようにいかない
・落とす
ため、
本人は無意識に
「もういいや」
と健側だけで済ませるようになります。
ここが見逃されやすい点です。
■なぜこのようなことが起きるのか
脳梗塞後は
・筋力低下
・感覚低下
・細かい調整のしにくさ
が残ります。
また
・手を出すまでに時間がかかる
・握る力が弱い
・離すタイミングが合わない
ことも多いです。
すると
コップを持つ
袋を押さえる
服を引っ張る
といった動作で失敗しやすくなります。
本人としては
「やりにくい」
「面倒」
「うまくいかない」
経験が増え、
👉使う前に諦める
ようになります。
さらに家族が
「危ないから私がやるね」
と手伝うことで、
使う機会がさらに減ります。
■生活の中で実際に起きていること
現場では
・麻痺側の手を膝の上に置いたまま
・食事も片手だけ
・着替えも健側だけで済ませる
・立ち上がりでも麻痺側を使わない
こういった場面がよく見られます。
また
・テーブルの上の物を取らない
・袋や新聞を押さえない
など、
本来補助手として使える場面でも使わなくなります。
最初は小さな差ですが、
毎日の積み重ねで
大きな使用差になります。
■このまま進むとどうなるか(予測)
使わない状態が続くと
・肩や肘が固くなる
・指が握り込む
・さらに動かしにくくなる
悪循環に入ります。
また
・片手生活に慣れすぎて
・麻痺側への意識がなくなる
ため、
改善のチャンスも減ります。
数か月後には
「前よりさらに使わない」
状態になりやすいです。
■できること
大切なのは
👉完璧に使わせようとしないこと
です。
例えば
・コップを支える
・タオルを押さえる
・服を持つ
・テーブルを拭く
など、
補助手として少し参加させるだけでも違います。
また
・意識して膝の上から前に出す
・両手を使う場面を作る
ことが重要です。
家族も
「できないから使わない」ではなく
「少しでも参加させる」
視点が必要です。
■まとめ
脳梗塞後に片手を使わなくなるのは
・完全麻痺だからではなく
・使いにくさ
・失敗体験
・家族の介助
が重なるためです。
そのため
・小さい役割でも使う
・毎日少し参加させる
・使わない習慣を作らない
ことが重要になります。
疾患や症状があっても、
生活の中でできる工夫や関わり方は必ずあります。
今回の内容が、
在宅生活を考えるうえでの
具体的なヒントになれば幸いです。
以上、近藤でしたっ。




