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#113 [ケアマネ向け] パーキンソン病 声が小さくなる理由

こんにちは、作業療法士の近藤です。

このカテゴリーでは、
生活期支援を考えるうえでの視点を整理しています。

今回は「パーキンソン病で声が小さくなる理由」についてです。

■結論

パーキンソン病で声が小さくなるのは、
やる気がないからでも、話したくないからでもありません。

病気の影響により、
声を出すための動きが小さくなり、
自分では普通に話しているつもりでも、
周囲には声が小さく聞こえることがあります。

そのため、
「もっと大きな声で話してください」
だけでは解決しにくいことがあります。

■よくある現場の困りごと

ケアマネジャーの皆様も、
・声が小さくて聞き取りにくい
・返事をしているのか分かりにくい
・電話での会話が難しくなった
・家族が何度も聞き返してしまう
・本人が会話を避けるようになった
といった相談を受けることがあると思います。

ご本人は、
小さな声で話している自覚がない場合もあります。

そのため、周囲から何度も聞き返されることで、
本人が話すこと自体に疲れてしまうこともあります。

■放置した場合のリスク

声が小さくなると、
単に「聞き取りにくい」という問題だけでは済みません。

・本人の意思が伝わりにくい
・家族との会話が減る
・デイサービスで孤立しやすい
・体調不良や困りごとを伝えにくい
・外出や人との交流を避ける

といった生活上の影響につながります。

特に注意したいのは、
声が小さいことで、
「反応がない」
「意欲が低い」
「理解していない」
と誤解されてしまうことです。

実際には、
本人の中ではしっかり考えていても、
声として外に出にくくなっている場合があります。

■生活期リハの視点

生活期では、
声の大きさも生活機能の一部として考える必要があります。

なぜなら、声は
・家族に希望を伝える
・体調不良を伝える
・デイで職員に相談する
・買い物や外出先で意思表示をする
ために必要だからです。

つまり、
声が小さくなることは、
コミュニケーションだけでなく、
生活の安全や自己決定にも影響します。

「歩けるか」
「運動できるか」
だけでなく、
本人の思いが周囲に伝わっているか
を見ることが大切です。

■なぜ声が小さくなるのか

パーキンソン病では、
身体の動きが全体的に小さくなりやすくなります。

これは手足だけでなく、
声を出す動きにも影響します。

声を出すためには、
・息をしっかり吸う
・息を声に変える
・口や舌を動かす
・声の大きさを調整する

といった働きが必要です。

しかしパーキンソン病では、
これらの動きが小さくなり、
声量が落ちたり、
話し方が単調になったりすることがあります。

また、本人は普通に話しているつもりでも、
実際には周囲に届く声量になっていないことがあります。

■生活の中で実際に起きていること

現場では、
・話し始めの声が小さい
・語尾が聞き取りにくい
・長く話すと声がさらに小さくなる
・周囲が騒がしいと会話が成立しにくい
・電話でのやり取りが難しくなる
といった場面が見られます。

また、家族からは、
「何度も聞き返すと本人が怒る」
「聞こえないと言うと機嫌が悪くなる」
「会話が減ってしまった」
という相談が出ることもあります。

これは、本人にとっても大きなストレスです。

何度も聞き返されることで、
「もう話さなくていい」
となってしまうケースもあります。

■このまま進むとどうなるか(予測)

声が小さい状態が続くと、
・会話量の低下
・意思確認の難しさ
・家族とのすれ違い
・社会参加の減少
につながることがあります。

また、体調不良や困りごとを伝えにくくなると、
支援者側が変化に気づきにく
くなります。

結果として、
本人の希望が確認されないまま、
周囲の判断で支援が進んでしまうこともあります。

声の変化は、
生活全体の変化につながるサインとして捉える必要があります。

■ケアマネジャーが見ておきたいポイント

声の大きさだけでなく、
次のような変化も確認しておきたいところです。

・以前より聞き返される回数が増えた
・電話での会話が難しくなった
・語尾が聞き取りにくい
・会話の途中で声が小さくなる
・本人が話す機会を避けるようになった
・家族が本人の意思を代弁することが増えた

こうした変化は、
声の問題が生活に影響し始めているサインかもしれません。

■支援・調整の考え方

声が小さい方への関わりでは、
まず環境を整えることが大切です。

例えば、
・静かな場所で話す
・正面から声をかける
・返答を急がせない
・短く分かりやすく質問する
・聞き取れない時は責める言い方をしない
といった工夫があります。

また、声を出す練習や、
呼吸・姿勢・口の動きへのアプローチが必要になることもあります。

必要に応じて、
リハビリ職や言語聴覚士、主治医と連携しながら、
本人の生活に合った支援を検討することが大切です。

■関わりを検討したいケース

・声が小さく意思確認が難しい
・家族との会話が減っている
・デイサービスで会話に入りにくい
・電話や外出先で困ることが増えた
・聞き返されることで本人が怒りやすくなった
こうした場合は、
単なる声量の問題ではなく、
生活上の困りごととして捉える必要があります。

■まとめ

パーキンソン病で声が小さくなるのは、
話したくないからではなく、
病気の影響で声を出す動きが小さくなるためです。

そのため、
・声が小さい=意欲がない
・反応が薄い=理解していない
と判断しないことが大切です。
声は、本人の思いや希望を伝える大切な手段です。

生活期支援では、
歩行や運動だけでなく、
本人の声が生活の中で届いているかを確認することも重要だと考えています。

今回の内容が、
支援調整やご家族への説明を考える際の一つの視点になれば幸いです。

以上、近藤でしたっ。