#129 脳梗塞後、再発予防として考えたい活動量
こんにちは、作業療法士の近藤です。
このカテゴリーでは、生活期支援を考えるうえでの視点を整理しています。
今回は「脳梗塞後、再発予防として考えたい活動量」についてです。
■結論
脳梗塞後の再発予防では、薬や血圧管理だけでなく、身体を動かす習慣を保つことも大切です。
ただし、
「たくさん運動すればよい」
ということではありません。
大切なのは、
・座っている時間を減らす
・無理なく歩く機会をつくる
・家事や外出を続ける
・本人に合った運動を継続する
ことです。
脳卒中・TIA後の二次予防では、健康的な食事とともに身体活動が重要とされ、長時間座り続ける生活を避け、安全に活動することが推奨されています。
■退院後に活動量が落ちやすい
病院では、
・リハビリ室まで移動する
・食事へ行く
・トイレへ行く
・毎日リハビリを行う
など、自然に身体を動かす機会があります。
しかし自宅へ戻ると、
・テレビを見る時間が増える
・家族が家事を行う
・外出しなくなる
・必要な時しか立たない
という生活になることがあります。
歩ける能力が残っていても、生活の中で歩いていないという状態です。
■活動量が減ると何が起きるのか
活動量が少ない状態が続くと、
・体力が落ちる
・筋力が低下する
・体重が増える
・外出することがさらに大変になる
といった変化につながります。
また、身体活動は血圧や体重、糖尿病など、脳梗塞の再発に関係するリスク因子の管理にも関係します。定期的な身体活動は、脳卒中後の再発予防における生活習慣改善の一つとして位置づけられています。
■「運動」だけを見ない
生活期では、運動の時間だけを見る必要はありません。
例えば、
・自分でトイレへ行く
・洗濯物をたたむ
・郵便物を取りに行く
・近所を散歩する
・デイサービスへ出かける
こうした行動も、身体を動かす大切な機会です。
30分の運動をした後、一日のほとんどを座って過ごすよりも、生活全体で動く機会を増やすという視点が重要です。
■ケアマネジャーが確認したいポイント
本人や家族へ、
・一日の中で座っている時間が増えていないか
・退院直後より外出が減っていないか
・家の中で自分で行っていることはあるか
・家族が代わりに行うことが増えていないか
・デイのない日はほとんど動いていない状態になっていないか
を確認します。
「週に何回リハビリをしていますか」だけではなく、
「リハビリ以外の時間に、どのくらい身体を使っていますか」
という確認も大切です。
■どのくらい動けばよいのか
身体活動量は、麻痺の程度、心臓や血圧の状態、年齢、疲労などによって異なります。
一定以上動ける脳卒中経験者では、中等度以上の有酸素運動などが推奨される場合がありますが、実際の目標は本人の能力や回復段階に合わせて調整する必要があります。
そのため、
「毎日〇分歩く」
と全員を同じ基準にするのではなく、
昨日より少し動ける生活を継続できるか
という考え方も大切です。
心疾患や血圧の問題がある場合や、新しく運動を始める場合は、主治医やリハビリ職へ確認します。
■支援・調整の考え方
活動量を増やすために、無理な運動を追加する必要はありません。
例えば、
・朝、自分でカーテンを開ける
・食後に少し歩く
・家事の一部を本人の役割にする
・短時間でも外へ出る
・デイサービスで定期的に身体を動かす
など、生活の中へ動く理由をつくります。
大切なのは、
「運動してください」と伝えることではなく、自然に身体を使う生活をつくることです。
■まとめ
脳梗塞後の再発予防では、
・薬や血圧管理
・食生活
・禁煙など
と合わせて、身体活動を保つことも重要です。
特に生活期では、
・座っている時間が増えていないか
・外出が減っていないか
・家族がすべて代行していないか
・生活の中で身体を使えているか
を見ることが大切です。
「運動をしているか」ではなく、「日常生活の中で動いているか」。
この視点が、脳梗塞後の健康管理と在宅生活を考えるうえで重要だと思います。
今回の内容が、支援調整やサービス選択を考える際の一つの視点としてお役立ていただければと思います。
以上、近藤でしたっ。




