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#131 脳梗塞後、疲れやすさを放置してはいけない理由

こんにちは、作業療法士の近藤です。

このカテゴリーでは、生活期支援を考えるうえでの視点を整理しています。
今回は「脳梗塞後の疲れやすさ」についてです。

■結論

脳梗塞後の疲れやすさは、単なる体力不足とは限りません。
脳梗塞後には、身体をあまり動かしていなくても強く疲れたり、少し集中しただけで休みたくなったりする「脳卒中後疲労」がみられることがあります。

そのため、
「もっと動いた方がいい」
「体力をつければ大丈夫」
だけで考えず、疲れ方を生活の中で確認することが大切です。

■よく見られる場面

現場では、
・午前中の活動だけで疲れてしまう
・デイサービスの翌日は一日横になっている
・入浴後に動けなくなる
・外出すると翌日まで疲れが残る
・会話や考える作業でも疲れる
といった様子が見られます。

ご本人からは、
「何もしていないのに疲れる」
「以前とは疲れ方が違う」
という言葉が聞かれることもあります。

脳卒中後の疲労は身体的な活動だけでなく、集中や精神的な活動でも強くなる場合があります。

■なぜ疲れやすくなるのか

脳梗塞後は、以前なら無意識にできていた動作でも、多くの注意や努力が必要になることがあります。

例えば歩くだけでも、
・麻痺側の足を意識する
・バランスを保つ
・周囲へ注意する
・転ばないように考える
必要があります。

そのため、見た目以上に身体や脳へ負担がかかります。

また、
・睡眠の問題
・痛み
・気分の落ち込み
・薬の影響
などが疲労に関係することもあります。脳卒中後疲労は日常生活を難しくする症状として知られています。

■疲れを放置すると何が起きるのか

疲れやすさが続くと、
「疲れるから動かない」
という生活になりやすくなります。

すると、
・外出が減る
・歩く機会が減る
・家事や役割を行わなくなる
・座っている時間が増える
といった変化が起こります。

さらに活動量が低下すると、体力や筋力も落ち、
動かない → 体力が落ちる → さらに疲れやすくなる
という悪循環につながることがあります。

疲労は、仕事や趣味、日常生活への参加にも影響することがあります。

■「休ませる」と「動かす」のバランス

疲れている方に、無理に運動量を増やす必要はありません。

一方で、
「疲れるから一日中休ませる」
だけでも活動量が低下してしまいます。

生活期では、
・午前中に活動する
・活動と休憩を交互に入れる
・一日に予定を詰め込みすぎない
・疲れる前に休む
・本人が続けられる活動量を探す
といった調整が大切です。

たくさん動くことより、翌日まで疲れを残さず継続できることを目指します。

■ケアマネジャーが確認したいポイント

本人や家族へ、次のように確認します。
・いつ疲れやすいか
・何をした後に疲れるか
・休むと回復するか
・翌日まで疲れが残っていないか
・外出やデイ利用が減っていないか
・睡眠や食欲に変化がないか

「疲れていますか?」だけではなく、
「疲れによって何ができなくなっていますか?」
と確認すると、生活への影響が見えやすくなります。

■急に疲れ方が変わった場合は注意

以前と比べて急に強い疲労が出た場合は、脳梗塞後疲労だけと決めつけないことも大切です。

特に、
・麻痺が強くなった
・ろれつが回らない
・言葉が出にくい
・急にふらつく
などを伴う場合は、脳卒中の再発も考え、速やかな医療対応が必要です。

また、疲労が長く続き生活に大きく影響している場合は、主治医や看護師、リハビリ職などと共有します。

■まとめ

脳梗塞後の疲れやすさは、
単なる体力不足ではなく、脳卒中後にみられる症状の一つである場合があります。

そのため、
・怠けていると判断しない
・疲れる場面を確認する
・無理に活動量を増やさない
・休ませすぎて活動量を落とさない
・生活に合った活動と休憩を考える
ことが重要です。

疲労を見る時に大切なのは、
「どれくらい疲れているか」だけではなく、「疲れによって生活がどう変わっているか」
を見ることです。

生活期の支援では、一つの正解よりも、状況に応じた判断が求められる場面が多くあります。

今回の内容が、支援調整やサービス選択を考える際の一つの視点としてお役立ていただければと思います。

以上、近藤でしたっ。